人生トントン拍子

大阪で小さな会社を経営しております

こんな時代だからこそ若者にはhideを聴いて欲しいんだ


こないだ、久しぶりに大好きだったhideのライブビデオを見て号泣してしまった。

悲しくなったわけでも、感動したわけでもなく、ただ自分がどれだけhideの音楽が好きだったのかを実感してしまって、なんだか涙が止まらなくなってしまった。


僕が17才の頃にhideのソロ活動が始まって、僕が22才の頃にhideが死んだ。
そして今、僕は41才のオッサンになった。

人は青春時代にカッコイイと思ったものは、生涯影響を受け続けるものだと何かに書いていた。たしかに、僕の青春時代はhideの音楽にがっつりとハートを掴まれて、思いっきり影響を受けて大人になった。


僕はめんどう臭い若者だった。

斜に構えて悟ったように世の中を見て、寂しがり屋なのに人嫌いで、高慢で、重度の厨二病という、とても厄介なヤツだった。

特に人嫌いは重症で、世の中の人々に対し、こいつらと同じ種族であることが腹立たしい、とさえ割と本気で思っていた。

そんな僕も、なんとかマトモに生きていく程度には性根を矯正されて、無事に大人になれた。今では家庭に恵まれて、経営者になって、スタッフに支えられて、お客さんにも喜んでもらえている。

それは色々な出会いに恵まれたおかげだったけど、その出会いの一つがhideの音楽で、僕はhideの歌にたくさん背中を押されて、励まされて、救われてきた。


ネットに入り浸っていると毎日のように目に入るのが、若い人たちが抱える生きづらさだ。社会・世界のなかで上手くいかない不満、怒り、そして諦めと疲労感。そんな姿は昔の自分、色々な出会いに救われる前の僕にとても似ている。

抗い、もがきながら生きていくにはエネルギーが必要だ。だから、僕たちは物語や音楽にエネルギーを求める。

僕は今の流行りの音楽は知らないけれど、もし、今の音楽の中にかつての僕を救ってくれたような出会いが見つからないのなら、もう20年も前の音楽だけどhideをおすすめしたい。


僕のような拗ねた人間には、なかなか流行りの音楽が響いてこない。愛だ恋だと綺麗事を並べ立てられるのが大嫌いだから。人の性根なんてロクなもんじゃないと思っているから、都合よく美化された言葉が薄っぺらくて、ひとっつも心に響いてこない。

hideは薄っぺらい美化なんかしない。欲望やジレンマ、モヤモヤとした鬱屈を、皮肉たっぷりに歌う。

そして、僕が何より好きだったのは、だからといってこのクソみたいな世界を「ぶち壊せ」とも言わないことだ。hideの歌はいつも、このクソみたいな世界を「茶化して」「笑い飛ばせ」と言っていた。


有名な話、松本秀人少年はデブがコンプレックスの内気な少年だったらしい。そんな人たちの気持ちを知っているからか、hideはいつも、笑い飛ばすことの強さみたいなものを歌っていた気がする。

僕は今でも厄介な性格を持て余して病むことはあるけれど、欲望・ジレンマ・鬱屈を人生のスパイスとして笑うことができるようになった。


41のおっさんから見ると、最近の若者は自分たちの頃よりよほど利口になった。けれど、人生を楽しむという一点で見ると、とても不器用に見える。

そんな若者たちが必要としているのは、綺麗に飾った言葉でも、がんばれという激励でもなく、それなりに人生を楽しむためのコツなんだと思う。

hideの歌は美しい言葉で飾られてはいないし、押し付けがましい情熱もないけれど、日頃抱えるモヤモヤとした鬱屈にはやけにマッチして、クスっと笑ってしまうことがある。

その「クスっ」こそ、僕が得た人生の最大のコツだった。


今の若い人たちに、一度hideを聞いてみてもらいたい。

そして、彼らの心に何か響くものがあったなら、願わくば、hideが今いないことを残念に思って欲しい。新しい歌が生まれてこないことを悲しく思って欲しい。





話は変わって、hideのライブが楽しかった。

本当はここでも「歌を聞いてみて」と言うより「ライブに行ってみて」と言いたかった。それが言えないことがとても悔しい。


僕が見ていたビデオというのが「UGLY PINK MACHINE」というタイトルで、1996年の「PSYENCE A GO GO」という全国ツアーの映像だ。このツアーには、当時20才の僕も髪をピンク色に染めて、大阪城ホールまで見に行った。

この年はLUNA SEA黒夢のライブにも行ったし、その後も色々なライブを見たけれど、一番楽しかったライブはと聞かれれば、迷わずhideの「PSYENCE A GO GO」だと答える。


「Beauty & Stupid」では、ライブ中に観客席から選ばれた人たちが、ステージ上のダンスフロアに上がって踊り狂った。

さらに運の良いお客は、ステージ上に用意されたバーでお酒を飲みながら間近でライブを見れた。(これはビデオにはなかった?)

「Cafe Le Psyence」では歌姫Chirolynが地域ごとのネタ歌を披露。

D.O.D.」で恒例の一気呑みコーナー。

「Hi-Ho」で、これも恒例の裸のお姉さんたち登場。

デュエット曲の「LEMONed I Scream」では、女性メンバーがいないのでベースのChirolynが女装してロザンナさんとして登場。


本当はhide初体験の人には、CDよりも、この「UGLY PINK MACHINE」を楽しんで欲しい。(youtubeで見つかるかも?)

ちなみに、「UGLY PINK MACHINE」にはfile1とfile2があって、file1が代々木でのツアーファイナルのライブ映像で、file2はツアー中のエピソード集みたいなの。曲が聞きたければfile1、オッサンたちがキャッキャウフフしてるのを見たければfile2。


とにかく楽しかったし、楽しそうだった。

後に hide with Spread Beaver となるオッサンたちの楽しそうな姿が楽しかった。

ベースのChirolynは、珍獣、愛すべき下等動物なんて呼ばれて、デュエット曲では女装した。

キーボードのD.I.E.は、ライブ中にはしゃぎ過ぎて骨折して運ばれてしまった。

ギターのKiyoshiは、客を煽るのに熱中しすぎてギターを弾いてなくて怒られてた。

ギターのPATAは、X Japan の時と打って変わって巨人ファンの気の良いオッチャンだった。

ドラムのJOEは、唯一のイケメンでドラムソロで分身した。

パーカッションのI.N.A.はスイカ頭だった。



その楽しそうな姿に、仲間たちと悪ふざけしている光景に憧れた。こんな大人になりたいと思ってしまった。

現在、願った通りの大人になったかは疑問だけど、それなりに楽しく、悪ふざけして生きている。


そして、たったアルバム4枚で、20年経った今でもファンを続けられている。



ちなみに、僕のようなhideの歌に励まされ力をもらったファンにとって困ってしまう事実が、hideが自殺してしまったということである。

多くのファンがそうなのと同じように、僕もアレは事故だと思っている。自殺だとすると、今まで発信されてきたhideのメッセージから、あまりにもかけ離れていて受け入れられないから。。。